レポート:柄澤健介 ゲストルーム

ゲストルームにするためのマンションのリノベーション。お客様を迎え入れる玄関と居室の間に柄澤健介さんの作品を設置しました。

玄関を入ると、壁の開口部から作品の頂部が見えます。ガラスの開口部に誘われ、居間へ入ると作品の全貌が現れます。真っ白いパラフィンの水平線に浮かぶ山々は、雲海に浮かぶようにも、雪をいただいた山々にも見え、その下には木肌の荒々しい山肌があります。鏡に映り込みんだ3つの山脈は、川や湖の水面に映ったような風景を作り出しています。

彫刻は、柄澤健介による「変わらぬ地平―越後三山」。柄澤の「変わらぬ地平」シリーズは、体験した風景、空気、触れてきた時間など作家の感覚の中にのみ存在するスケールを彫刻として表現した抽象的な山でした。今回初めて、設置場所となる場所をベースに八海山、中ノ岳、越後駒ケ岳(越後三山)という実際の山をモチーフに制作しました。

変わらぬ地平ー越後三山 photo: ArtTank
変わらぬ地平ー越後三山 (部分) Photo:ArtTank

ArtTankは、導線によって作品の見え方が変化すること、奥行きと広がりを持った空間となるよう設置空間を設計しました。

アーティストプロフィール: 柄澤健介(からさわけんすけ) 1987年愛知県生まれ。2013年金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科彫刻専攻修了。[個展]2012年「変わらぬ地平」 (Take Ninagawa/東京)、 2014年「Pale Light」(山鬼文庫/石川)、2015年「2012~2015」(Star Gallery/北京)、2017年「鏡と穴 —彫刻と写真の界面 vol,6」(gallery αM/東京)[グループ展]2014年「虹の麓 -反射するプロセス-」(名古屋市民ギャラリー矢田/愛知)、2015年「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」(The Three Konohan/大阪)